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『この世界の単なる敗者でいられないのなら…(中略)…本線から踏み外していくこと それこそ健全じゃないか』
(“TW”歌詞冒頭より引用。)

石川智晶、NEWアルバム『この世界を誰にも語らせないように』を聞きました。

2012 05 30 この世界を誰にも語らせないように


(……とっくにリリースから1ヶ月も経ってますし、結構聞いてます。)
発売前の心情として、珍しく発売を楽しみにしていたCDです。石川智晶さんは素晴らしいですよ。大好きです。


アルバムは冒頭に上げた“TW”から上記の歌詞で始まるのですが、じわ~っと始まりを告げていき、このアルバムタイトルを物語るものとなってます。

“TW”の意味ですが、石川智晶さんのブログによると “TW”というのは『この世界を~』という歌詞にある『This World』というコトと、『たすけて わたしを』という2つの意味があるそうです。

歌詞自体に『たすけて わたしを』を、明確に表わすものが無いのだと石川智晶さんはブログで書かれてますけど、そのブログから察せられることと、実際の歌詞を眺めてみると、どこか“Vermillion” っぽいなぁという印象も持ちました。
『無性に喉が渇くのは…(中略)…生きたいという叫びたいほどの真実』(“Vermillion”歌詞より)

『I'll try to keep in contact with you』(“TW”歌詞より)
これは バラバラな私 を繋いでいこうとしてること・模索してることを表しているような気がするんですよね。
仮にそれが過ちを侵すようなものであったとしても、それさえも肯定するような。

2曲目“The Giving Tree”。
直訳で“与える木”。 どこかの民族歌謡のような曲調・曲の始まりで幻想的に始まる歌。(別にタイアップがそうだから という意味では決してなく。)(←『幻想水滸伝 紡がれし百年の時』のタイアップです。)
『生きることを必要以上に学ばなくていい』(歌詞より)
なんだったかな…なんかの本かで読んだのか忘れたけど、ただ木はそこに在るだけで四季をあるがままに受けて葉を茂らせ、また枯れて。それでもただそこに在り続けて。それを見る人は葉が生い茂ったり・枯れたりするさまを良いだの悪いだの言う。根を張り、虫や鳥が止まり木として変わらず関わり続ける。それはただ何かしようとしてるワケでもないのに。何かのために与え続ける。
そして人も鳥も虫も きっと木より先に死ぬことだろう。…よほど土地的なことで伐採されたりしない限り。

この歌もただ在ることの肯定のような歌かな。在ることというか、“与えること”は大切だというけれど、それ自体に意味を見出すことすら不要というか。


3曲目“My book”。
ジャケットの石川智晶さんがそのような、書庫のようなところで本を読んでる画なので、そのままの雰囲気が出てるバラード。
取りこぼしてきた、見逃されてきた たくさんの想いを掬う(救う)ような歌。
一見、“私”とは無関係と思われるようなものでも、それが“私”と交差したときに光が当たって、その無関係とされてきたものとの間に大きな光や時間が与えられていくような。


4曲目“不完全燃焼”。
アニメ『神様ドォルズ』OPテーマ。もはや説明不要ですね。

歌詞を見るまで、
『このセッションは最初から僕に主導権なんてなくて…』の部分の『セッション』が『殺生』かとソラミミって。(笑) 「生きたり殺したりしてるのは 決してぼくの所為じゃないんだ」という。『その逆にそびえたつものの存在がある』ことに無意識に感化されてるんじゃないか? っていう葛藤の部分での“不完全燃焼”かと思いました。(←深読みしすぎw)

『厄介ものと呼ばれたら~最大のディフェンスだ』っていうのは“TW”にも繋がる印象。

PVの少年とか、風車のあるとこで佇む石川智晶さんはカッコいい!



5曲目“アンインストール ~僕が最後のパイロットRemix~”。
石川智晶さんの代表曲となっている“アンインストール”を大胆にリミックス。
正直なところ、原曲の雰囲気と全く違ってしまって 聞き始めた当初は慣れませんでした。
……が、結局 次第に慣れました。w
曲順のバランス的に、こういう既発曲のリミックス…ましてや代表曲と言われるものをミックスするっていうのは抵抗があると思うんだけどね。トラック的にラストを飾るとか。
ところが真ん中に。『神様ドォルズ』に挟まれるカタチで収録され(笑)、絶妙な立ち位置となってると思いますよ。


6曲目“スイッチが入ったら”。
『神様ドォルズ』EDテーマ。
最近、私、潜在意識とか顕在意識とかそんなもんに興味があるので、そっちに繋げてしまうと、潜在意識の解放 っていうのがテーマなのかな って思いました。歌詞中の『止まる思考回路』は その言葉そのまま、「浮かんでくる余計な考え」だとも思うので、それを振り切ってしまえ! っていうようなね。
『誰かのウィルスになる』っていう部分は、その他人の自分に対しての思い込みが悪く影響する作用だと思うので、そんなコトはどっちでもいいような。…ウィルスは寄生して増殖するものだから単体自体で増えるワケでは無い。
結局 印象の作用に過ぎないものが勝手に尾ひれ付いて広まっていく。そこからの解放かな。と。



7曲目“逆光”。
戦国BASARAタイアップが付いてますが、そんなコトとは一切関係なく、大好きな曲です。
カラオケでも何度か歌わせて頂いてます。(笑)

ググってyahoo!知恵袋にあったことなんですが、曲中でところどころに入る『しゃりしきうぃきとゅー~♪』のような言葉は、
般若心経の
「舍利子 色不異空(しゃりし、しきふいくう)」がモチーフのようです。
読み下すと「舎利子、色は空に異ならず」となり、
「舎利子(人名呼びかけ)、色(全ての物事)は、空(くう)と違わない」
と言う意味です。

だそうです。(参考はこちら→[Yahoo!知恵袋]:『石川智晶さんの逆光で所々入る「しゃりしきうぃくとゅー」の意味を教えてください』

「“私”を縛り付けるものは何も無い」というような。「そもそも“私”という実体すら無い」ような。
『逆光は体を黒く埋め尽くす』から。
『どこまでも認めたくないんだよ もはやヒトではないことを』とか。

まぁ 色々論考は出来るのですが、
『平伏して どれだけ誤ればいいんですか』っていう部分の歌詞が好きであったり、なによりPVが好きであったりね。掃除用のモップを肩に当てて立つ姿とかね。


8曲目“インソムニア”。
“不眠症”というタイトル。歌詞の内容的に、人の目線や言葉が気になって仕方の無い様が主人公に表われてるようで。一つの部屋の中で漂う 空虚感みたいなものが映像としてイメージに入りやすい。
ミドルテンポの曲、間奏時の「シャリラリラー♪」っていうようなリフレインで穏やかな雰囲気・幻想的さもあるのに、いろいろなものが壊れていってるような。いや、現実に期待を持てない・信じられないからこそ なのかもしれませんが。
『その無防備さを 少し分けてくれ』 えぇ、ホントに。(苦笑)


9曲目“夏の庭”。
こちらも『神様ドォルズ』。作品の(アニメでの)核となる回に流れた劇中歌。
『夢』『夏』『風』という単語が異なる抑揚で繰り返される歌。
“過去”を歌ってるものなんだけど、ひたすら無力感を感じるような…単に 何も出来なかった子どもの頃 を、歌ってるけど、それが今も似た状態(無力を感じること)を作り出してるから、その煮え切らない辛さを抱えたままにしてるような。


10曲目“それは紛れもなく~選ばれし者のソリチュード~”。
あぁ…、これはカッコいい。
いや、これは あなたなのかもしれないね。とも思ってしまう。孤高で強い歌。どこか達観もしてる視点も携えているけれど、これはほんとうに強いうた。
自分の価値観を絶対的に持ってることと、それを他人から色々言われることも覚悟してる上でのこの立ち位置。
“~選ばれし者のソリチュード~”という言葉が歌詞のサビの部分を全て物語ってる。


11曲目“涙腺”。
過去作の、“涙”、“落涙”に続く、涙 シリーズ。(これツイッターでもご本人がツイートされてたような…。(笑))
アニメ『戦国BASARA 弐』挿入歌。
歌の主人公になるとこれは自然と涙するものですよ。自分でどうにかできるものではなくて、ただ待つばかりですから。
時代というか、ま、BASARAだからこそその画が浮かびやすいのかもしれませんけど、第二次大戦中の日本での 待つ女性の姿とかね。
『節くれだった厚い手をとって~…』からの部分は歌い方もあって激情が表われる。



12曲目“もう何も怖くない、怖くはない”。
『劇場版 ガンダム00』挿入歌。
なんとなく10曲目の“ソリチュード”に似てるような世界。特に歌詞後半部分から。
『予測不可能なこの海原 全うに歩いていく常識とか 曖昧すぎる深刻さなど もういらない』
という部分が非常に分かりやすい。
これも自分を信じる歌。“怖くない”“怖くはない”と繰り返してることで力強さと覚悟が感じられる。



13曲目“シャーベットスノウ”。
現実に立ち向かう勇気とか、覚悟とか、ここまで 強さを描いた楽曲群のあとで、アルバムの最後を飾るこの楽曲は過去の肯定を表してるように感じました。
積もり積もった涙の雨、過酷な過去に閉ざした冷たい心。それが次第に融けて(解けて(?))いってるような。

“私”の生きてきた、この これまでの“世界”を 誰にも語らせないように ただ “私”がそれを知るためだけに あるように。
















まさかの全曲レビュー。w

濃密で重厚な“世界”でしたよ。
タイアップが大半ではあるのですが、私自身その作品に触れてないものもありますので(ほんと『神様ドォルズ』くらいしか触れてないです。)、新鮮に曲・歌に触れ、アルバムの構成としても面白いものでした。

根源的な ただ『生きる』という強さを歌った、素晴らしいアルバムです。




この世界を誰にも語らせないようにこの世界を誰にも語らせないように
(2012/04/25)
石川智晶

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[2012/05/30 00:29] | 音楽
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